卵胞刺激ホルモン(FSH)検査

FSHレベルは、性別、年齢、女性の場合は排卵期のどの時期にあるかによって異なります。また、検査室によって基準範囲がわずかに違うこともあります。結果については主治医と相談してください。

グループ

範囲(IU/L)

男性

思春期前

成人

1.3~19.3

女性

思春期前

小胞

3.8~8.8

月経中期

4.5~22.5

黄体

1.8-5.1

閉経後期

16.7~113.6

高いFSHレベル

女性での高いFSHレベルは、40歳前に卵巣機能を失ったこと(卵巣障害とも呼ばれます)、また更年期であることを示します。

男性での高いFSHレベルは次のようなことを示します:

  • クラインフェルター症候群
  • 不在または正しく機能していない睾丸
  • アルコール依存症などの疾患により損傷した精巣
  • X線や化学療法などの処置により損傷した精巣

児童での高いFSHレベルは思春期が始まるところであることを意味します。

低いFSHレベル

低いFSHレベルは次のようなことを示します:

  • 女性が卵子を作り出していない
  • 男性が精子を作り出していない
  • 視床下部または下垂体(脳内でホルモン調節を行なう部分)が正しく機能していない
  • FSH生成を制御する機能を腫瘍が妨げている

ストレスや極度の体重不足がFSH値に影響を及ぼすこともあります。

女性におけるFSHの増加は、受精のための良質の卵子や胎芽の生成量が減少していることを示します。これの一般的な理由は女性の年齢です。女性は年を重ねるにつれ受精機能が衰え、卵巣で成熟する卵子の数が少なくなります。また、残っている卵子の質も、以前に比べると低下します。

黄体形成ホルモン(LH)、エストラジオール、プロゲステロンのレベルを測定する他の検査を併用した場合、FSHレベル検査は女性の卵巣予備能の判断に役立ちます。「卵巣予備能」という言葉は、女性の年齢に対する受精能力について述べるものです。高いFSHレベルは、その女性の年齢に期待される妊娠の可能性が水準より低いことを意味します。ただし、妊娠する可能性がまったくないわけではありません。妊娠が困難となる可能性があり、不妊症治療が必要なこともあります。